今日はメルセデスW113のA/Tミッションのオーバーホールを紹介します。

・・・・と、その前にメルセデスのオートマチックトランスミッション(A/Tミッション)について少しお話しておきましょうね。
メルセデスがオートマッチックのミッションを初めて搭載したのは、1962年の190Cからのようです。

W113は1963年から登場していますが、初代230SLから280SLに搭載されているA/Tミッションはまだ初期のタイプのA/Tということになりますね。
現在のA/Tのように変速ショックがほとんど感じられないものと違い、シフトアップ・ダウン共ショックは結構大きく感じるでしょう。
このA/Tミッションを形式で呼ぶと「K4C025」などのように最初に「K」が付されます。

データブックに構造図があったのでスキャンしてみました。左側がエンジンですね。
ちなみに少し新しいA/Tミッションは最初に「W」が付くようになってきます。

KとWの違いは上の2つの構造図で明らかに違っている部分・・・そうです流体クラッチの部分ですね。
Kはカップリング、Wはトルクコンバーターを表しているんです。
A/Tミッションはこのトルクコンバーターの開発で劇的に良くなったことはご存知かと思いますが、このトルクコンバーターについて少しだけお話しておきますね。
最初の流体クラッチはオイルで満たされた容器の中の向かい合った2つの羽根車だけで動力を伝達する構造になっていました(僕達はカップリングと呼んでます)。

こんなイメージです。
この構造ですと、トルクは最大でも1:1でしか伝わりません。
そうです。普通のクラッチと同じでただオイルが媒体になっているだけですね。
トルクコンバーターでは内部にステータと呼ばれる固定羽をもう一つ組み込み、戻る流体の向きを変えることでトルクを倍増させることができるようになったんです。
すごい発明ですよね。
例えば軸トルクが20kgmのエンジンが発進時には倍の40kgmのトルクをミッションに伝えるということになります。
これは単純に考えると、2000ccのエンジンが発進時だけですが4000ccのエンジンの能力を出すということですからすごいことなんです。
ただクラッチが繋がった状態になるとトルクは同じに戻ってしまうのは当たり前です。
W113は残念ながらまだカップリングタイプの流体クラッチなので、発進時に少しもたつく感じがあるのはこのためですね。
また前置きが長くなってしまったので、オーバーホール偏は次回に。。。