やっと秋の気配を感じられるようになって、WERKEの工場内も作業しやすくなってきました。
前回にご案内しましたが、恒例のWERKE秋のツーリングもあと1ヶ月あまり^^
多くの参加をお待ちしています。
さて今日はこの夏に多く作業させてもらったオルタネーターの容量アップに関してご紹介します。

この写真はW108 280SE-3.5に新しいオルタネーターを取り付けたものです。
古いメルセデスではオルタネーターの発電能力はあまり大きなものではありません。
それは当時の電力消費が少なかったというのもありますが、日本の道路事情を考慮されていなかったということもあると思います。
オルタネーターはエンジン回転がおよそ2,000rpm以上で表記の発電容量が出るように設計されています。
またエンジンの熱で高温になったオルタネーターでは配線の内部抵抗が大きくなるために、規定の8割ほどに能力が下がるといわれてます。
問題は日本の都市部のような少し走っては止まるというのでは、ほとんどがアイドリング状態になってしまします。
これでは充分な発電は期待できないのです。
それに加えて日本の夏は異常に暑い。
クーラーのファンは最強で回され、エンジンがヒート気味になるためラジエターの前の補助電動ファンがガンガン回されて、発電量より使用する電力が多くなってしまっているのが現状です。
電動ファンは意外に電力を使い、1つで15~20Aもの電力が必要なんです。
古いメルセデスのオルタネーターは最大で55Aというものが多く使われていますから、単純に足し算していけば簡単に容量オーバーしてしまいます。
これではバッテリーが上がってしまうのも当然ですね。
それで容量アップをして少しでもバッテリーの負担を軽くしようというのです。

今回は55Aのオルタネーターから80Aのものに容量アップします。

ただオルタネーターの形状が違うために取付ステーの改造もしなければなりません。

写真でわかるように取付ボルトの太さを変えなければなりません。

ドリルでボルト穴を大きくしてタップでネジを切ります。
簡単な作業ですが失敗すると大変ですから慎重に進めます。
取付が完了したら今度は重要な配線です。

上の写真が元のオルタネーターの出力コネクター部です。
そしてこれが新しいオルタネーターの出力部。

コネクターは切り取ってしまうことになりますが、配線の数が異なります。

元のオルタネーターの配線図です。
新しいオルタネーターはオルタネーター自体に電圧を制御するボルテージレギュレーターが付いているので、出力端子とチャージランプの端子の2つだけなのに対して、元のものはボルテージレギュレーターは別に取り付けられています。
配線は元の3つあるコネクターのD+の配線(チャージランプ)だけを新しいオルタネーターの小さい方に接続してやり、残りの配線は絶縁しておけばOKです。
さてメインの出力配線が重要です。
元々55Aという電流を流すためだけの配線なので80Aとなると少し無理があります。
場合によって発熱して焼けてしまう可能性もありますから、少し余裕のある太い配線に変えてやるのが望ましいでしょう。

左の太い配線で下の写真の配電部まで引きなおします。

ここまでしてやれば安心です。
よく100A以上のオルタネーターに付替えるということを耳にしますが、非常に危険です。
それだけの電流を流すならば、出力側の配線は必ず余裕のある太い配線に交換してくださいね。
それでは。。
スポンサーサイト