'84 500SECアイドルコントロール 

前回のブログにコメントから問い合わせをいただきました。
よくあるトラブルですのでここで紹介したいと思います。

お問い合わせの内容は---
 500SEC 1984年式です
 走行中にアイドリングが1500rpmに急に上がる現象があったため
 アイドルコントロールユニットを交換しました
 交換後アイドリングが900rpmになります 
 高すぎて運転がしにくいです
 交換前は500rpm前後でした
 ・アイドリング調整手段はありますか?
 ・ウォームアップコントローラを交換すればなおりますか?
というものです。

このエンジンのコントロールシステムは’81~’85の500と380に共通で採用されているシステムです。
’80までのエンジンコントロールとの違いは、新しくO2センサーが付けられて空燃比を一定に調整するシステムに加えて、アイドリングも自動調整になったものです。
僕の感想では「自動調整になってしまった・・・」という感覚ですが。
アイドリングは500rpmと非常に低く設定されていてニュートラルでもドライブでも同じ回転数になるようになっています。
負荷のかかっていないニュートラルで500rpmという低回転を維持するのはちょっと無理があるようで、ミスファイヤを起こしやすくアイドリングが不安定になりがちなエンジンですね。
ちなみに’86からはニュートラル時は650rpmに変更されています。

アイドリングの不具合にはいろいろありますが、1500rpmほどに上がってしまう症状の場合は上記のようにコントロールユニットがダメな時や断線などでアイドルアジャスターバルブに電気信号が送られなくなった場合に起こります。
71130-1
写真はおなじみのアイドルアジャスターバルブです。
このバルブは電流が流れると全閉になり電気が来ないと全開になります。
バルブに付いているコネクターを外してやると全開になり1500rpmになるんですね。
エンジンがかかっている間このバルブは毎秒60回開閉を繰り返しています。
手で触ると正常なバルブならブーンという振動を感じることができます。
中途半端な開度はありませんから、アイドルエアーの流量はその1/60秒の間の開いている時間で決めているのです。

前置きが長くなりましたが、お問い合わせでは当初は1500rpmだったのでコントロールユニットを交換してアジャスターバルブに信号が送られるようになったにもかかわらず、まだ900rpmもあるということですが、交換前の正常時に500rpmだったということなら想像では新しいコントロールユニットに不具合があるように思います。
部品番号は同じでしょうか?もう一度ご確認ください。

もし間違っていないようなら別の原因として4つの可能性が考えられます。
①アジャスターバルブの作動不良
②アイドルエアーのラインのどこかより2次空気が吸われている。(漏れ)
③スロットルスイッチの調整不良
④水温センサー不良または断線

①はバルブを交換してみるのが簡単ですが、部品を購入して違った場合無駄になってしまうので、一度取外して洗浄してみるのがいいでしょう。
キャブクリーナーなどのカーボンを落とすことのできる少し強力な溶剤が必要ですが、洗浄で改善されるならバルブに間違いありません。

②はアイドリング状態でエアーホース周りにガソリンを少量ずつかけてやり、回転数が少しでも上がるようならば空気を吸っている可能性が高いでしょう。

③はアクセルを踏んで回転が高くなっているときにコントロールユニットがアイドリングを低くするように働くような誤作動を防ぐために、スロットルバルブが閉じているときにONの信号を送るスイッチです。
導通をテスターで確認してやればいいのですが、スロットルスイッチの配線コネクターを外して回転数に変化があれば正常と判断できると思います。

④はデスビのアイドルアジャスター横に並んでいるセンサーのうちグリーンのコネクターが2つ付いているセンサーになるはずですが、年式により違いがあるのではっきりしません。
水温センサーの抵抗を測って水温80℃以上で1kΩ以下ならば正常です。
(但し900rpmでは高すぎるので可能性は低いように思います)

上の4つのうちどれかが原因だと思いますので、一つずつ点検してみてください。

もう一つの質問ですが、
・アイドリングの調整手段は残念ながらありません。
・ウォームアップコントローラーはどの部分をいわれているのかはっきりしませんが、ウォームアップレギュレーターだとするとガソリン圧力のレギュレーターですからアイドリングには関係しません。

ちょっとややこしい答えになってしまいましたが、がんばってくださいね。

[ 2007/11/30 17:57 ] 問い合わせ | TB(0) | CM(1)

最終モデル 560SEL 販売中です 

昨日から唐突に冬になってしまったようです。
今日の新聞には今年は厳冬の可能性が高いとありましたが、
去年でもあまりにも寒くてつらい冬だと感じていたWERKEスタッフには
ほんとうに身の縮まる思いです。(^^!)

さて、WERKEにW126最終モデルの560SELが販売車両として入庫しました。

走行距離が59500km程でかなり状態のいい車両です。
560SELもかなり数が減ってきているなか、
これほどいい状態の車両はかなりめずらしいのではないでしょうか。

W126はメルセデスが「最善か無か」を社是としていたころに生まれた
よい意味でのオーバークオリティな車で、
その中でも最終モデルの560SELはより完成度の高い車です。

WERKEに入庫していますので、興味の持たれたかたいつでも見にお越しください。

560SEL

走行距離:59,500km
年式   :1991年式
カラー   :ブルーブラック
内装   :レザーシート、
       ダブルエアバック
ハンドル  :左ハンドル
車検    :なし

Price :218万円 (税込み、諸費用別)



[ 2007/11/19 15:03 ] お知らせ | TB(0) | CM(3)

フューエルポンプ 

今日はフューエルポンプについて少しご紹介します。

当たり前ですが燃料タンクからエンジンまで燃料を送る役目をしています。
単純な役目なんですがエンジンの種類によってフューエルポンプの機能・性能にもいろいろです。
昔々・・・燃料は落下式でポンプを使っていなかったころもあったはずです。
そうですね、今でも単車などにポンプのないものがありますよね。
キャブレター式のエンジンならキャブレターのフロートチャンバにさえ燃料が入れば燃料に圧力をかける必要がないからです。
余談ですが僕の同僚が旅先でフューエルポンプが壊れ、思案の末ルーフにポリタンクをくくり付けて帰ってきたということもありました。

乗用車では車体の形状から落下式にするのは難しいので、古くからポンプで燃料を送る方法をとっています。
キャブレターに燃料を送るという簡単なことなんですが、ここで問題がひとつ出てきます。
落下式ならエンジンが消費する燃料だけをニードルバルブで調整できますが、ポンプで強制的に燃料が送られてくると、消費しない残った燃料をタンクに戻すリターンラインを設ける必要でてきます。
面倒ですね・・・
メルセデスにはありませんが、電磁ポンプの中には少し圧力が上がると燃料を送らなくなるものがあるので、これにはリターンラインはいりませんが・・

フューエルポンプはエンジンが消費する最大の燃料量を満たさなければならないので、エンジンによって当然選ばなければならないのです。

インジェクションの場合はまたややこしくなります。
インジェクションノズルの機能によって違いがありますが、ある程度の圧力を燃料にかけてやらなければ正常に噴霧しません。
そのためリターンラインに戻る燃料の量を制御して圧力を調整するためのリリーフバルブが必要になり、ポンプはより高い圧力が要求されます。
それに加えてノズルから出る燃料の多い少ないにかかわらず、ノズルにかかる燃圧を一定にしてやらなければ燃料の量を補正できなくなるので、ポンプは圧力だけではなくより多くの吐出量を要求されます。

日本車などの電子制御のインジェクションではおよそ2kg/平方cmほどでしょうか。
これと比較してメルセデスのKジェトロ(KAインジェクション)はシステムにかかる燃圧が約5kgと倍以上の燃圧を必要とします。
71113-6
写真は皆さんがよく見かけるポンプだと思いますが、このポンプがよく壊れるのはそんな理由からなんです。

少し話しがそれますが、メルセデスのインジェクションでW111やW113などに使われているメカニカルインジェクションポンプ(通称:メカポン)のタイプは、フューエルポンプの燃圧でノズルから噴霧させているわけではないので、フューエルポンプの圧力は1~1.5kgと低めです。
そのためか原理的に簡単な構造のポンプが使われています。
71113-1
こんな巨大なポンプです。
年式を感じる形でしょう・・・
見えない部分なんでどうでもいいのですが、僕にとってはかっこいい形です。
でも壊れると大変です。
かっこいいのはわかるんですが、20万円近くするんです・・・・

それでもやはり壊れることもあります。
71113-3 71113-2
圧力が上がらないので分解したところ、フィンが折れてしまっていました。
残念ですが、さすがにこの部品だけというのは手に入りません。

予算的に代用できるポンプがないかと日本製でいろいろ探してみたのですが、日本車のフューエルポンプは燃料タンク内に内臓されているタイプがほとんどで、外付けのタイプは見つかりませんでした。
ドイツから取り寄せればあるので、ちょっと割高にはなりますがそのポンプで代用することにしました。
71113-4
写真がそのフューエルポンプです。
最初の写真でボッシュのKジェトロ用ポンプを紹介しましたが、そのポンプでは吐出量が多すぎてプレッシャーレギュレーター(リリーフバルブ)で制御できるかどうかに不安が残るので、吐出量の少ないこのポンプの方がいいでしょう。
71113-5
取付はちょっと加工が必要ですが、作動音も静かで快適です。

このポンプはWERKEのショップで販売する予定です(^O^)

[ 2007/11/14 00:09 ] 整備 | TB(0) | CM(2)

モール類 再メッキ 

ずっと延び延びになっていますクーラーシステム作業の実践編は、さすがに役に立たない季節になってしまったので、また来年の春先にでもご紹介したいと思いますm(_ _)m

ということで今日は気分一新、先日作業したウインド周りのモールの再メッキをご紹介します。
作業車両はメルセデスW111の280SE3.5クーペ。
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この車はメッキ部分が多くて、すごく美しく豪華にみえますよね。
でもその反面そのメッキ部分に光沢がなくなってくると、急に古い感じがするのも不思議なものです。

今回はウインド周りのモール類に傷みが目立ってきているので再メッキを施しました。
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この車に限らずこの年代のメルセデスは写真のようにメッキ部分だけを取外すことが可能です。
サイドガラスなどはしっかりとはめ込まれているので取外すには、慎重さと一番大事なのは根気ですね。
ゆっくりと時間をかけて分解していき、取外したメッキ部品は全29点。

では再メッキ後の写真をご覧ください。
71107-11 71107-12

各パーツの写真です。
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再メッキの場合、ただメッキを施すだけではこのようにきれいにはなりません。
メッキ前の部品の凹凸が埋まるわけではありませんから、ザラザラの部分はそのままザラザラな仕上がりになってしまいます。
光沢を出すためには錆びてザラザラになった部分をツルツルにしてやらなければならないのです。
この下地処理が大変なんです。
腐食して窪みができているような部品には、溶接で穴埋めを施して表面を平らにしなければなりません。
メッキ自体はそんなに高価な作業ではないんですが、再メッキの場合はその下地処理の費用がかかってしまい高価なものになってしまうんですね。

それに加えてウェザーストリップなども再利用することが難しいので、一緒に交換しなければならずもっと高価な作業になってしまいます。
71107-23 71107-24

71107-22 71107-21

それでも完成した車は見違えるほど綺麗になって、イメージが変わります。
レストアするとなるととんでもない費用がかかりますが、プチレストア的な意味ではお勧めな作業です(^ ^)/


[ 2007/11/08 01:09 ] リビルト | TB(0) | CM(0)
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