ドイツのWERKE諜報部員より 

こんにちは。
ドイツに置いてきぼりの渡邊です。
今こちらはお昼前ですが、日本ではもう帰る時刻ぐらいなんでしょうか。

さて今日はドイツよりブログを書かせてもらいます。
日本に帰るきっかけを逃しはや11年。
渡独した時はお金も職もなく冒険をしにきたのですが、当時は今のような車に関わる仕事をするなんて考えもしなかったんです。
きっかけはここドイツの車の世界が広がる大きな穴を恐る恐るのぞいていたところを、当時ドイツに在住だった悪の根源加藤氏に後ろから背中を押されその穴に落とされたといっても過言ではないのです。
もともとポルシェに憧れてはいたのですが、まさかまさかなんです。

加藤氏と古きポルシェやベンツを探し歩き、スペシャリストやコレクターにアポをとり訪問し尋ねてお話を聞きに行った所が何件もあります。
ger-3 ger-2

私達が目にしたその光景は信じられない、すごい、そこまでするのか。。。。。という言葉の連続でした。
ger-5 ger-4 ger-1

この事はWERKEを訪問して直接加藤氏に質問して見るといいでしょう。
完璧にフルレストアされたベンツ300SLガルウィングを探していると言えば加藤氏なら3~4台はすぐ見つけて来るはずです。

加藤氏がWERKEで夢をかなえるために日本へ帰国、私はドイツでのアンテナ役を一人ですることになりましたが、今まで彼と築き上げてきたコネクションをさらに広げ入手困難だった部品などもかなりの確立で見つかるようになりました。

さて、ドイツでエンジンをオーバーホールするタイミングは?と質問するとどこのショップも「不都合が出てどうにもならない時」という答えが返ってきます。
日本ではさまざまなようですが、悪くなりそうなところを事前に直し場合によってはエンジンを下ろしてオーバーホールしてしまうところもあるようです。
ドイツでは、使えるものをなぜ使わないのか?なぜそんなに無駄なごみを出すのか?という環境問題に発展します。
早め早めの処置は決して車に悪い事ではないですが、せっかく環境に優しい車を各社が開発してもオーナーが環境破壊をしてはメーカの努力が無駄になります。
こういう考え方が日本とは違うドイツの文化なんでしょう。

ただ僕は、車は壊れる前に直す!という意見に賛成です。
では、どうしたらいいか?定期的にWERKEでチェックしてもらえばいいじゃないですか、取り返しのつかなくなるまで放っておくと大変です。
特に変だなと異変を感じたらすぐ整備工場へもっていって見てもらうというのが大切です。
front

なぜ、定期的にWERKEで?????
それの答えは決して宣伝を意味しているのではありません。
クラシックカー特にPORSCHEなどは、車が壊れてから部品(特に廃盤部品)を急いで探すと物によっては、とてつもない値段ならびに時間を要します。
日本から、いずれこのような部品が必要になる、来月あたりこのようなものが必要になるという情報が入れば、事前に下調べができ余分なコストを抑えられるという利点があります。
私とお客様がお会いできる機会はとても少ないと思いますが、ドイツから、心を込めて部品、商品や情報を送らせていただきます。
そして、日本に帰国時は必ずブログ等で表記しWERKEの方で一人でも多くの方々母国語で車のお話をできる事を楽しみにしております。

今後もよろしくお願いいたします。

次回は早速今週末のBREMENのクラシックカーのモーターショーの写真ならびにレポートをお送りします。
お楽しみに!
[ 2007/01/31 21:48 ] よもやま話 | TB(0) | CM(0)

バッテリーについて 

今日はバッテリーについてちょっと豆知識です。

車に付けられているバッテリーは鉛バッテリーが一般的です。
製造コストが安く比較的大きな電流を流すことができるからですね。
最近のハイブリッド車などにはもっとすごいバッテリーが搭載されていますが、ここでは鉛バッテリーのお話をしたいと思います。

鉛バッテリーの原理は・・・お話しても眠くなるだけですので簡単に説明すると、鉛の持っている電子を硫酸と反応させて移動させるというものです。
battery
この写真はおなじみメルセデス純正の100アンペアのバッテリーです。
僕たちが取扱うのはほとんどがDIN規格のもので日本車用のJIS規格のものとの大きな違いは、写真のようにターミナルがバッテーリ上面より上に出ていません。取り付けも下部の突起の部分で固定するようになっています。
表示方法は複雑なので詳しくは説明できませんが、一般的には5ケタで表示されており左から2番目と3番目で容量を表しています。
例えば「55559」だと55Ah、「56818」だと68Ah、「60038」だと100Ahということになります。

ここで容量について少しご説明します。
バッテリー容量とはフル充電されたバッテリーからどれだけの電力量が取り出せるかを決められた規則で計測したものです。
単位はAh(アンペアアワー)一定の電流を何時間出せるかということです。
DIN規格とJIS規格では計測方法が違います。

DIN規格では20時間率といって20時間放電させて電圧が10.5Vになる電流値を測ります。
分かりやすくDIN100Ahのバッテリーで説明すると、100Ah÷20時間=5アンペアになりますから・・
5アンペアの電流を20時間流すと電圧が10.5ボルトまで下がるということです。

JIS規格は5時間率を用いてますから同じ100Ahだと・・
20アンペアの電流を5時間流すと10.5Vまで下がるということですね。
同じ100Ahのバッテリーでも条件が厳しいJIS規格のバッテリーの方が、能力は高いということになるでしょう。

さて、皆さんはこんな計算をしたことはありませんか?
100Ahのような大きなバッテリーは旧車にはあまり使われてないので、ここでは一般的な60Ahのバッテリーが付いている車で考えてみます。

よくあるルームランプの消し忘れを考えてみます。
ルームランプは最低でも10W(ワット)はあります。
電流にすると0.84Aほど・・ほぼ1アンペアの電流ですから、60Ahのバッテリーだと単純に60時間は大丈夫ですね(^^)・・・丸二日とちょっと・・・・二日ぐらいならエンジンはかかるハズ・・・

気をつけてください!これは大間違いです。
車のバッテリーが一番能力を出さなければならないのはエンジン始動の時なんです。
始動時には一気に300Aほどの大電流が必要です。
端子間電圧が10.5Vに近くなったバッテリーではヘッドライト程度の小さな電流は問題ありませんが、始動時の大きな電流は出してくれません。
バッテリーの能力によりますが、容量の半分ほど消費してしまうとエンジンの始動は怪しくなってきます。
よくお客様から「セルが回らない。バッテリーは大丈夫みたい、ヘッドライトは点くから・・」ということを聞きますが、まさしくこれがその状態ですね。

夜間や渋滞、特に夏は電気の消費量が増えます。
車でもできるだけ節電してフル充電の状態を保つようにすれば、バッテリーの寿命も長くなり安心です。
信号待ちや渋滞ではライトを消しましょうね。
[ 2007/01/30 18:40 ] ちょっとお話 | TB(1) | CM(5)

オーナーズマニュアル 

W111の220Sbセダン(通称ハネベン)のオーナーズマニュアルほか数冊が、お客様のご好意でWERKEのお宝に加わりました。
books
この写真はその一部ですが、僕もあまり目にすることが無かったものなのでちょっとご紹介します。

まず右下のオーナーズマニュアル。
1963年の220b/220Sbのどうも北欧向けのマニュアルのようで、ドイツ語、英語の他に3ヶ国語(どこの言葉かわかりません)全部で5ヶ国語の表記がすべてのページに書かれています。
45年も前なのにもうカラーでのページがあります。
owner-1
インストゥルメントの解説ページですね。

すごいなと思ったのはもっと後のページです。
整備書的な解説が書かれているのです。
owner-2
これはキャブレターの調整方法が解説されているページです。
他にはコンタクトポイントの調整やベルトの調整方法、ブレーキペダルの位置調整からクラッチの遊び調整などなど。
ジャッキアップしなければならないような作業方法までが書かれています。
自動車先進国というお国柄一般のユーザーでもある程度の整備ができたのか、それとも当時としてはこれが当たり前だったのかもしれませんが、僕は目にしたことがないのもあってちょっと感動してしまいました。

次は最初の写真で上の小さな本はサービスの拠点マップです。
これはアジアとオーストラリアの分です。
service-2
日本のページの表紙です。
ここで面白いものが2つ。
1つは写真で見えるでしょうか・・その国のガソリンのオクタン価が表示されているんです。
この当時日本ではレギュラーが84、ハイオクが96になってますね。
ちなみに現在の某石油メーカーのオクタン価はレギュラーが90、ハイオクが100ということで、ちょっとだけ良くなってるようです。
もう一つは写真の右端に写ってる「NIP」の表記。
普通なら「JPN」となるはずなんですけど何故なんでしょう・・
お隣の韓国は「KOR」となってますからやっぱり日本は特別扱いだったのでしょうか(^^)

残りの1冊はパーツカタログで今のものと同じでした。
ちょっと残念・・

あとWERKEには多くはありませんが、楽しい当時の雑誌がおいてあります。
book-1
カーグラフィックが’75~’89

office
メルセデスやらポルシェ、フェラーリ、アバルトなどなんやかんやとあります。

興味がありましたら本だけでもいいですから見にいらしてください(^^)/~

[ 2007/01/29 18:55 ] W111 | TB(1) | CM(0)

WERKE スタッフ紹介 

いつもブログをご覧いただいてありがとうございます。
今日はWERKEのスタッフを紹介したいと思います。
とても人様にお見せできるような容姿ではないので、写真は雰囲気だけわかってもらえる物を選びました。

インポート部品担当の加藤氏
kato
もともと僕と一緒に仕事をしていたのですが、メルセデスに魅せられドイツ車に興味をもったばかりに、ドイツ語がまったくわからないままいきなり渡独・・・
そのまま4年半ほどドイツに滞在してたという大馬鹿者です。
本人も言葉でそうとう苦労はしたようですが、さすがに今では日常会話は問題ないようです。
彼がドイツにいる間に僕もいろいろ情報をもらいました。
もちろんドイツに観光?いや仕事に行ったときにはすばらしいツアーコンダクターに変身します。
WERKE主催のドイツツアーを企画しようと思うほどの活躍ぶりで、おいおい本当は旅行会社に勤めたいんではないかと心配になります。
日本に戻ってきて2年あまり、せっかくの経験をもっと活かせるようにとまた一緒に仕事することになり、ここWERKEで一番頼れる存在です。

ポルシェ担当の澤田氏
sawada
整備士歴30年!国宝物の逸材。
マニアックな外車ディーラーを経て、ポルシェディーラーだった豊和自動車に在籍。
オーバーホールしたエンジンの数は星の数ほど?・・は無いにしても僕には理解のできない調整を黙々とやってのけます。
今WERKEでその経験を活かし腕を揮ってくれています。
本人曰く、「30年間ずっと新人のボンさんを続けているのだ・・」と訳のわからんことを言っております。(笑
澤田氏の仕事は正確で丁寧。任せておけば安心。心強い味方です。

そして僕。猪岡(いおか)です。
ioka
自分では書きにくいので加藤氏にバトンタッチしますね。(照

変わりまして加藤です。
猪岡氏についてのプロフィールはヴェルケのHPを見てもらえればそちらに書いていますのでそこを見てもらうとして、私、加藤の見た猪岡氏について紹介しますね。
普段は冗談ばかり言っていますが、やっぱりふたを開けると車マニア、というかメカマニアです。
大概のことは質問すると本当に懇切丁寧に説明してくれます。面白くなってずっと話を聞いていると仕事がまったくできないこともしばしばです。

このブログで毎日頭を使いすぎているせいか、最近は夜になると、「あれとってあれ」「あれなんやったっけあれ」と「あれ」の連発です。ものの名前が浮かばないらしく何でも「あれ」になってしまうようです。ただの頭の使いすぎであればいいのですが。。。。
とはいえWERKEの大黒柱的存在です。

それからもう一人、現在ドイツ在住の渡邊氏。
akeo
僕(加藤)がドイツ時代に知り合った大切な友人。
僕の趣味と同じく彼自身もかなりのポルシェマニア・・というかポルシェ馬鹿(笑
暇さえあればドイツ中を飛び回って珍しいポルシェに会いに行ってたりします。

ドイツに住んで11年目、そろそろ身も心もドイツに染まってきているようですが、そのおかげで現地でしか手に入らないような情報や、新鮮な情報を随時集めて教えてくれます。
今ではWERKEの要的存在。そうです彼はドイツに送り込んだWERKEの諜報部員なんです。


という4名のスタッフで頑張っています。
暇があれば気軽に顔を見にきてくださいね。
[ 2007/01/28 20:34 ] 未分類 | TB(0) | CM(7)

ドエルアングル 

こんにちは。
昨日のお話でドイツがちょっと身近に思えた方もいらしゃるんではないでしょうか。
これからも時々ドイツの話を交えていきますので息抜きにお楽しみください。

今日のちょっとお話は「ドエルアングル」(Dwell Angle)です。
これを聞いてわかる方はちょっとマニアック?な方ですよ。

ドエルアングルとはスパークプラグに火花を飛ばすためのイグニションコイルの一次側電流を制御するコンタクトポイントが閉じている(接点が付いている)角度の1気筒分を表したものです。
point-1
この写真がコンタクトポイントです。

これは原始的な方法ですから、今の車にはこんなものはほとんど付いていません。
それでもメルセデスには1976年頃までは採用されていました。
その中では純粋なポイント式とセミトランジスタ式とに分かれます。

ここでは純粋なポイント式のお話からしてまいります。
まず、スパークプラグに火花を飛ばす原理をちょっと説明しておきます。
coil
これはイグニションコイルの簡単な配線図です。
プラグに放電させるための高電圧の発生は、コイルの自己誘導作用と相互誘導作用を利用したものす。
一次コイルに流れる電流を一気に遮断した時に、それまで発生していた磁界が消滅するのを妨げようとする起電力(自己誘導作用)が高電圧になることを利用して、二次コイルにより高い電圧(相互誘導作用)を発生させます。この電圧でプラグに火花を飛ばすんです。
そう考えるとポイントにかかる負担はそうとう大きいものになるのは想像できますね。
だからポイントは定期的に交換してやらなければならないのです。

上の写真は4気筒のディストリビューターに付けられたポイントですが、エンジンの4気筒全部の燃焼をさせるのにデスビのカムは1回転して、ポイントの接点は4回開閉します。(エンジンのクランクシャフト2回転分ですね)
同じように6気筒なら6回開閉、8気筒なら8回開閉するわけです。
それをたった一つのポイントで制御しているのですから、気筒数が多いほどポイントの負担はすごく大きくなります。
それに加えものすごい速さで開閉しなければなりませんから、機械的にも無理が出てきますし、電気の流れる時間も少なくなって高電圧を発生しにくくなってきます。
セミトランジスタ式はその対策として登場しました。
トランジスタを利用してポイントに直接大きな電流を流さないようにすることと、コイルの一次側の通電時間を制御しています。

そんなことを考慮してドエルアングルはそれぞれのエンジンによって決められています。
およその目安として6気筒では全体の60%程度の通電時間にするようにしてやればいいでしょう。
計算方法は(6気筒として)
デスビのカムが1回転で角度は360度なので6気筒分で割ると1気筒分が60度、その60%なのでドエルアングルは36度前後になります。
4気筒ならば1気筒分の時間が多くとれるので55%ぐらいで考えると、
 360÷4気筒×55%=49.5度
逆に8気筒ならば通電時間を多めにするために70%ほどで計算すると、
 360÷8気筒×70%=31.5度
ちょっとプラスで考えるとするとセミトランジスタの場合はちょっと少ない角度でも大丈夫です。

ドエルアングルテスタが無いときはポイントの接点ギャップが一番広い状態で、0.3mmほどにしてやるとそのぐらいの角度になると思います。(BOSCHのデスビで、個体差はあると思いますが・・)

頭の片隅に覚えておいてください。なんかの役に立つかもしれませんから(^^)

今回はちょっと頭痛くなりましたね(^^)/~
[ 2007/01/27 10:45 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(2)

ドイツのお話 

このあたりでちょっと閑話休題。
今日はいつものメカニックによるディープな話にかわりまして、
輸入担当の私がメルセデスベンツとポルシェの生まれ故郷ドイツのお話を少ししたいと思います。

ドイツといえば皆さんもご存知のアウトバーン。
建設の計画自体は1920年代からあったそうですが、実際に本格的な建設が始まったのは、ヒトラーのナチス政権下です。
ドイツではヒトラーが残した唯一残した有益なものはアウトバーンとフォルクスワーゲンだけだとも言われていますが、経済政策の一環としての事業だったようです。

戦時下には滑走路としての使用する目的もあったようで、そのため、長い直線と幅広な高速道路となりました。
速度無制限にできる訳はこんなところにもあるのですね。

さてその速度無制限ですが、アウトバーンといえば全線速度無制限と思われている方が多いと思うのですが、実際には無制限のところは全体の20%以下にすぎません。
ですので無制限だからと調子にのってすっ飛んで走っているといきなり速度制限の標識、そしてネズミ捕りのカメラにしっかり撮影されるなんてことになります。
私もその一人でしっかり撮影され、罰金そして免停一ヶ月のお裁きを受けました。。。。
アウトバーン

さてアウトーバーン上は無制限の場所で、片側3斜線のところは大体150km/hぐらいで流れています。
運転マナーもよく、追い越し車線(右側通行なので一番左側)は本当に追い越しのときだけで、追い越した後はすぐにもとの走行車線に戻っていきます。
もちろん無制限区間は200km/hだろうが300km/hだろうが自由に走行しても問題ないのですが、安心して追い越し車線ばかり走っていると、後ろからとんでもなく早い車にパッシングされてあおられるなんてことになります。200km/hで走行中にパッシングの攻撃を受けてあおられるのはかなりビビッてしまいます。

それから、これは日本に住んでいる私たちにはうらやましい限りなのですが、アウトバーンは全線無料となっています。(12t以上のトラックは有料)
一度ドイツの国会で有料化の法案が審議されたのですが、
国民の大反対を受けて、あっという間に否決されてしまいました。

しかし、その分なのかどうかドイツの燃料代は日本と比べてかなり高いです。
ちなみに1月26日現在の価格は

レギュラー ¥185
ハイオク ¥197
軽油 ¥164

ドイツで燃費のいいディーゼルが売れるのも納得がいきますね。
ちなみに2005年のドイツの新車販売の約50%がディーゼルだったそうです。

それとこれも無料のせいなのかどうか、
アウトバーンにはほとんど街灯がありません。
夜中、ゆっくり走っているともちろん問題ないのですが、飛ばしていると道の先がまっすぐなのか曲がっているのかもほとんど見えません。

以前、真夜中にアウトバーンを走行中、少しゆるいのぼりのカーブを曲がると道路の真ん中にひっくり返った車が2車線にまたがって横たわっていました。
そのときはそんなにスピードを出していなかったので私たちの車は全く問題なかったのですが、後続車両で飛ばしている車やトラックなどはその横たわった車の横をぎりぎりかわして行き、あわや大事故に!!
急いで後続車両に事故を知らせるために、車を降りて友人と二人でアウトバーン上を走る走る。
結局、しばらくすると渋滞が発生しとりあえずの危険は去りました。
ちなみに、その車を運転していた本人は怪我もなく無事だったのですが、あわや大惨事の事故だったと今思い出してもぞっとします。

長くなってしまいましたが、今日はこのあたりで。
また、時々テクニカルなお話の間にドイツの話ができればと思います。

[ 2007/01/26 20:25 ] よもやま話 | TB(0) | CM(0)

メルセデスベンツ W113 280SL Part2 

W113 280SLのエンジン調整のつづきです。

前回は燃料の濃さをテスターなしでおよその判断をする方法を紹介しましたが、今回はその調整方法です。

燃料の調整です。
インジェクションポンプの後ろに調整ノブが付いています。
※必ずエンジンを止めて調整してください。

co
このノブを押し込みながら右に回せば濃く、左に回せば薄くなります。
調整する度にエンジンを始動して確認してください。
この作業は空気量は変わってませんから、特に問題なく調整できますね。

次はアイドリングの調整です。
airvalve
写真中央にあるのがアイドルアジャストスクリューです。
エアークリーナーからスロットルバルブをバイパスして、INマニホールドに送る空気量を調整してます。

この調整がちょっとややこしいんです。
空気の量だけを調整してるのでバイパス量を増やすと混合気は薄くなってしまうことを頭で考えながら調整しなければなりません。
たとえば今混合気が少し濃い目になってるとして、バイパス量を増やせば混合気はちょうどいいところになるので、アイドリング回転数は上がります。
逆に今混合気が少し薄い状態だとして、バイパス量を増やしてしまうと少し不完全燃焼気味になり、アイドリングは上がるどころか下がってしまうこともあります。

面倒ですが、アイドリングを調整したければ、燃料の量も一緒に調整してやらなければなりません。
ということはアイドリング調整をするのには一度エンジンを止めてやらなければならないということですね。
あ~面倒くさい・・でもこれがこのエンジンの基本です。

皆さんがんばってみましょう(^^)/~
[ 2007/01/25 11:22 ] W113 | TB(0) | CM(0)

メルセデスベンツ W113 280SL 

メルセデス280SLをお預かりしました。 
rin-1 rin-2
すごく綺麗なお車で、さすがに見てるだけで嬉しくなりますね。
もちろんイベント中の無料点検も一通りさせていただきました。

エンジンが1気筒ミスしている状態でしたので、原因を調べるために少しエンジン調整させていただきました。
今回はその調整内容をちょっとご紹介します。
M130エンジン メカニカルポンプ式インジェクションです。

まずは何番がミスファイヤしているか調べます。
いろいろ方法はありますが完全に点火していない状態でしたので、プラグの焼け具合を見れば判断できるでしょう。
plug-1
この2本のプラグの焼け具合を比較してみてください。
右側がミスしていた気筒のプラグですが、中心電極の碍子(がいし)部分が左に比べて真っ黒になっていますね。
ガソリンで濡れるまでにはなっていませんから、時々は燃焼しているだろうことがわかります。
おそらく電流は電極間を放電せずに、この黒くなったカーボンの上を流れてしまっているのでしょう。カーボンは電気を通しやすいですから。
左のプラグの焼け具合を見ると碍子は茶色く焼けてはいますが、アース側電極周りが黒くなっているので燃料が濃いであろうことがわかります。

このプラグをこのまま取り付けるとまたカーボンの上を電気が流れてしまいますので、ワイヤーブラシなどでクリーニングしてから取り付けます。・・当たり前ですね(笑
ガソリンでベタベタに濡れているようならクリーニングしてもだめですから、ガスコンロなどで少し焼いてやるといいでしょう。(このとき赤い炎がでているときはガソリンが燃えているということですね)

ここでもう一度プラグの写真を見てください。
右側のプラグのギャップを少しだけ狭くしています。
これは燃料が濃くてかぶってしまっている時の応急処置として、電極間に放電しやすくしてやるためです。
以前にお話したプラグギャップを広くするのと反対ですね。
混合気が濃い状態では小さな火花でも燃焼しやすいからです。
http://diewerke.blog87.fc2.com/blog-date-20070105.html

エンジンをかけてみます。
ブスブスしてますがなんとか全気筒燃焼しているようです。

さてここでCOテスターを使わずに燃料の濃さを調べる方法です。
(今はプラグから燃料が濃いとわかっていますが、わからないものとして説明します)
まずインジェクションポンプの上のスロットルリンケージを外します。
rink-1

ポンプ側のリンケージをゆっくり押し下げます。
rink-3
これは燃料だけを多くしてやってますから、これでアイドリングが高くなればリンケージが付いている状態では、燃料が薄いということですね。

今度は逆にスロットルバルブ側のリンケージを押し下げます。
rink-2
これは空気だけを多くしてやっているので、これでアイドリングが高くなれば燃料が濃いということです。

この時期のエンジンでは理想空燃比というものにこだわると調子が悪くなってしまいますので(一概には言えませんが)ここではどちらの動作をしてもあまりアイドリングが変わらないようにポンプのミクスチャーを調整してやります。
通常なら排気ガスのCO濃度は4.0%前後になっているはずです。
(注)これでは車検で通らないかもしれませんから、もし車検前ならばもう少し燃料を薄くしてください。車検対策は他にも方法がありますが、またの機会に紹介しましょう(^^)


長くなってしまいました・・インジェクションポンプのミクスチャーの調整は次回のお楽しみにしま~す(^^)/
[ 2007/01/24 11:30 ] W113 | TB(0) | コメント(-)

メルセデスのモデル表記について 

ずっと気になっていたメルセデスのモデル番号表記。

W113とかW108,W123などなど・・
なぜW107がよくR107と表現されているのか・・
お恥ずかしい話なんですが、僕が普通に勤めているころにはそんな表現を聞いたことがなかったんです。
つい最近までなんとなくR107という言い方もあるんだなあ程度にしか思ってませんでした。

WERKEを始めてから情報的にもいろいろなものを集めるようになり、あちこちで使われていて統一性はないもののドイツ本国でも使われている表記なので、やたらと気になり始めたんです。
これは間違った使い方をしては恥ずかしいぞ・・と(汗

いろいろ調べました。
でも、やはり、なんとなく、統一性を感じません。
これまで調べた中でたぶんこれが正解だろうというものをご紹介します。
あくまで参考にしてください。

W・・・Wagen(車という意味)なぜかこれだけがドイツ語
R・・・Road star(2人乗りのオープンカー)
C・・・Coupe(2ドアの乗用車)語源はフランス語らしい
S・・・Station Wagon(ステーションワゴン)

これで全部かどうかは不明ですが調べたところこれだけでした。
こんな使い方がされています。
一番多いのが107で
R107・・・107タイプのSL(500SLなど)
C107・・・107タイプのSLC(450SLCなど)

ここで不思議なのはW113の縦目SL
R113という表現は目にしません。
C113というクーペが無いからでしょうか・・

他にRで表現されているのは
R129、R230 ・・・ 

Cで表現されているのが
C123、C124、C126、C140 ・・・C114というのは目にしません。

Sは
S124、S210、S202、S123
 
上記はネット上での情報を元にしているだけで正確なものではありません。ご了承ください。

どなたかご存知の方はいらっしゃいませんか?
いらっしゃいましたら是非お教えください。
お願いいたします。

ということで、WERKEでははっきりしたことがわからないまま上記の表現は使えませんので、
今の時点ではモデル表記はすべて「W]で統一したいと思います。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

WERKEスタッフ一同 m(__)m
[ 2007/01/23 12:14 ] Mercedes-Benz | TB(0) | コメント(-)

エンジンオイルについて 

皆さんエンジンオイルはちゃんと交換してますか?
最近の車は性能がいいからほとんど気にしてません・・・なんてだめですよ。
確かに昔に比べエンジンの材質や仕上げが良くなっている分故障することは少ないですが、確実にエンジン内部の磨耗が多くなっています。
特に旧車ファンはそんなことしたらエンジンの寿命が一気に短くなりますよ。

それではエンジンオイルについてちょっと豆知識(^^)
皆さんがよく目にするAPI規格(米国石油協会、American Petroleum Institute)がありますが、これはエンジンオイルのグレード(品質)を表すものでガソリン用がSA~SMまで(SI,SKは除く)、ディーゼル用がCC~CI-4分類されています。
どちらもアルファベットが後になるほどグレードが上がります。
最近のガソリン用ではSLがよく目につきますね。
日本ではこの規格が一般化されていますが、他にACEA規格(ヨーロッパ自動車工業会)などがあります。

もう一つの規格でオイルの粘度を表したSAE規格(米国自動車技術協会、Society of Automotive Engineers)があります。
たとえば10W-40のような表示ですね。
これはマルチグレードの表示方法で、左側の10Wの表示は冷間エンジン始動時の低温流動性の善し悪しを表していて数字が少ない(5Wなど)方が低い温度で流動性がいいことになります。
右側の40の表示は高温時の粘度を表していて数字が大きいほど高温時の粘度が高くなります。(注)これは耐熱性を表しているのではありませんから注意が必要です。

選び方として、冷間始動性については下記のようになっていますが、
5w:-35℃程度まで
10w:-25℃程度まで
20w:-10℃程度まで
旧車のようにもともと各部のクリアランスが大きくなっているエンジンに5Wでは、冷間時に温間時より大きくなっているクリアランスを潤滑するには粘度が低すぎてあまり好ましくないでしょう。
同じく後半分の粘度表示の方は粘度が高い方が好ましく40~50ぐらいがいいでしょう。
ただし粘度が高くなると抵抗が増えるので燃費は悪くなります。

エンジンオイルの素になるベースオイルには鉱物油(主にナフテン系)と化学合成油(主にエステル系)あと劣化が早いのでほとんど使われていない植物油などがあります。

鉱物油は石油を精製する過程でできるもので分子量などを厳密に揃えることはできませんが、比較的コストが安いので多く用いられています。

化学合成油は石油を一度化学的に分解して分子量など成分を一定に合成しなおしたものでオイル粘度などの性質を調整しやすいのですが、エステル系の性質上ゴムパッキンなどに悪影響を及ぼすようです。

オイル交換が必要な理由を尋ねるとほとんどの人は「汚れているから」と答えます。
確かに汚れも理由の一つですが、大切なのはオイルの質が変わってしまってることなのです。
上でお話したベースオイルは粘度がほとんど無く、エンジンオイルとしては使えませんからいろいろな添加剤を混合することで、粘度などの調整をしています。
ですがこの添加剤は変質しやすいので、時間と共に粘度がどんどん下がってしまいます。
もう一つ、化学合成油の多くはエステル系ですがこれは水分で分解しやすい性質をもっていますから、いいオイルだからといって安心していてはダメなのです。

僕が旧車ファンにお勧めするとすれば、SGかSLの鉱物油で10W-40か15W-50のオイルを3,000k~5,000kごとぐらいにまめに交換するのがいいでしょうね。
オイルフィルターはオイル交換の都度がいいでしょうけど、2回に1度交換で充分でしょう。
fuchs
WERKEで使用しているオイルはSL-CF10W-40です。

どうですか?「エンジンオイルはなんでもいい」なんて気持ちはなくなったでしょう?
オイル管理をしっかりしてる車は実際にエンジンの寿命はかなり長くなってることが多いです。

[ 2007/01/22 15:57 ] ちょっとお話 | TB(1) | コメント(-)

メルセデス フロントサブフレームマウント 

メルセデスベンツW107のフロントサブフレームマウントについてちょっとご紹介します。

サブフレーム・・その名の通りボディフレームを支えているフレームです。
W107にはフロントアクスルを形成するフロントサブフレームが採用されています。
その上にモノコックボディが乗せられているのですが、衝撃を和らげるためにゴムマウントが接合部に使用されています。
submount-1
日本車にはあまり見られない構造なので意外と見落とすことがありますので、一度確認してみてください。
W114、W115は同じ方式のマウントを使用していますので、コンパクトにお乗りの方も確認してみてくださいね。
マウントは前後に一つずつ左右にありますので合計4つ同じマウントが使われています。

前後のマウントの内、ほとんどの車は後側が特にヘタリが大きいです。
ブレーキによるトルクの影響でしょう。
submount-2後側   submount-3前側

新しいものと比較してみます。
submount-4
かなり違いがありますね。
常に重量を受けていますので、定期的に交換が必要です。
ひどくなるとボディに直接接触して異音が出ることもありますし、前後のヘタリ方が違うことによりアライメントが狂ってきますから、ハンドリングに影響するのが一番問題でしょう。

大変な作業に思われがちですが、慣れている工場でしたら工賃もそんなに高くはないと思います。
車種によって取り外さなければならないもの(ブレーキキャリパーやスタビライザーなど)が違ってきますので全車種同じではないですが、WERKEでの工賃は通常で2~2.5万円ぐらいでしょう。
[ 2007/01/21 02:22 ] W107 | TB(0) | CM(4)

フューエルインジェクション Part2 

昨日に引き続き、今回はラムダコントロール式KAインジェクションです。

ラムダコントロールとはBOSCHで使われている用語のようですが、語源が何なのかは調べてみてもわかりませんでした。スミマセン・・
どなたかご存知でしたらコメントくださいませ(^^)/
さて機構ですが、昨日説明した普通のKAインジェクションとほとんど同じですが、O2センサで空燃比の補正を行う装置を追加したものです。

O2センサとはその名の通り排気ガス中の酸素の量を検知して電圧を発生するものです。簡単に説明すると排気ガス中の酸素濃度と大気中の酸素濃度との差が大きくなると約1.0Vの電圧を発生します。
理想空燃比を境として、燃料が濃くなると酸素を使い切ってしまうので酸素濃度の差が大きくなり電圧を発生し、燃料が薄くなると酸素が残るので電圧を発生しないというものです。

このセンサを利用してコンピュータで理想空燃比に合わせるようにしたものがラムダコントロール式です。
下図がシステム図です。
KA2
これはM102の分ですが燃料システムは同じです。

変更された部分は下側のチャンバに燃料を導入する際に3のオリフィスを設けチャンバの圧力を17のフリーケンシバルブで調整する仕組みになっています。
フリーケンシバルブでの調整範囲はあまり大きくはありませんので、基本調整で理想空燃比に近くなるようにしなければなりません。
ラムダコントロールの作動状況はダイアグノシスソケットの3番で確認できますが、ON-OFF比を測定するテスターで50%になるように調整します。(注)このとき指針50%固定で左右に振れていない場合はO2センサが働いていないので修理が必要です。
tester

目安として計るとするならば、アナログ式のサーキットテスターで見ることができます。
電圧測定で12Vを100%として考え6Vを中心に左右に振れるように調整します。これはほんとあくまで目安です。

詳細の部分については次の機会にご紹介します。

[ 2007/01/20 12:44 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(0)

フューエルインジェクション Part1 

フューエルインジェクション・・キャブレターに代わり今ではほとんどの車に採用されている燃料装置ですね。
インジェクションの歴史はかなり古く第二次世界大戦前にすでに戦闘機に採用されていたようです。
自動車では1954年メルセデスベンツ300SLが最初になります。

インジェクションもいろいろ進化していますが、最初はご存知のメカニカルポンプ式。後に電子制御によるDジェトロニックやLジェトロニック、機械式のKジェトロニックなど、より詳細な制御が可能になっています。
インジェクションの利点はどんなものなのでしょう。
開発当時はキャブレターに比べ機構が複雑で高価なものであったに違いありませんが、キャブレターのベンチュリによる吸気抵抗がインジェクションにすることにより抵抗がなくなり、出力アップになることが大きな目的だったのでしょう。
電子制御により複雑な走行状況に応じた調整が可能になりましたし、
最近ではインジェクションの方がコストが安くなる傾向のようです。

今回はその中のボッシュKAインジェクションシステムをちょっとご紹介します。
KAの意味は・・K(連続)、A(駆動装置なし)という意味(ドイツ語で)になります。
簡単に説明すると、エンジンによる駆動はなく燃料の圧力によって連続噴射する機械式のインジェクションです。
余談ですが、最近の解説書によるとKAジェトロニックとはO2センサで補正するタイプで、補正のないものをKジェトロニックと呼んでいるようですが、僕たちはO2センサの補正のあるタイプをラムダコントロールKAインジェクションと呼んでいます。何故かはわかりませんが・・・
このラムダコントロール式は次の機会にご紹介します。

さて話を戻します。ここで疑問になるのが連続噴射ですね。その言葉通りインテークバルブが閉じているときもノズルからは途切れることは無くずっと噴射しっぱなしです。
Lジェトロのように噴射時間を変えることによって噴射量を調整するのではなく、燃料の流量自体を変化させます。
KA

上図は僕がまだ新人の時にW116メルセデスベンツ450SELのインジェクションの教育を受けた時の資料です。27年前の資料なので多少の汚れは許してください。
図の右下がガソリンタンクで、そこからガソリンの流れる順に
87 フューエルポンプ
86 フューエルフィルター
85 プレッシャーリザーバー
20 フューエルディストリビューター
80 インジェクションノズル

2がエアーフローメーターでここに流れる吸入空気量が増えると
20の真ん中にあるプランジャーが押し上げられノズルからの噴射量が増えます。
chanber
燃料の吐出口の下に燃料の圧力を調整するチャンバが設けられ、上下を分けるように34のダイヤフラムがあります。下側のチャンバにポンプからの燃料が入り赤い矢印の流量が変化することでノズルに送る燃料の量を調整します。

中央のプランジャーにかかる力でエアーフローの反対側には70のウォームアップレギュレーターで調整された圧力がかかり、この圧力で流量の微調整を行っています。
冷間には圧力を下げ流量を多くするなどですね。

僕はこのシステムにすごく魅力を感じます。
その理由はこのシステムは純粋な機械式でフューエルポンプさえ動いていればエンジンが止まることはないからです。
メルセデスらしいと僕は感じるのです。
それに機構的には非常にシンプルなので、理解してしまえば修理は簡単です。

もっと詳しくというリクエストがあれば改めてご説明する機会を作りますので、どんどんご意見ください。

次回にはこれにO2センサを追加したものをご紹介します。
[ 2007/01/19 17:15 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(3)

凍結防止剤 

毎日寒いですね。
ここは大阪でも一番寒い地域なのかもしれませんが、この時刻になるとほぼ0℃に近いんです。
工具を持つのにもすごく冷たくなってますから、ちょっとためらってしまいます。
そう考えるともっと寒い地方のメカの方々はほんと大変ですね。

さて今日のテーマですが、この時期になると道路に凍結防止剤が撒かれていることが多いと思います。
雨も降っていないのに路面が濡れた感じになってるのはそのせいですね。
ご存知の方も多いと思いますが凍結防止剤はほぼ塩と同じ成分です。
車にとっていいものではありません。
潮風のあたるところの車の錆びが多いのはこのためですね。

お預かりしたある車がこれのおかげ?で下の写真のようになっていました。
sabi-1 sabi-2 sabi-3

この車は特に海に近いところを走っていたわけではありません。普通に街中を走行されている車です。

昨日のような雨の日に凍結防止剤が撒いてある道路を走行したなら、海水の水溜りを走っているようなものですから、おそらくこれが原因でしょう。

やはり車にとって塩分は大敵ですから、この時期暇があれば下廻りを水洗いするのがいいのではないでしょうか。
[ 2007/01/18 22:07 ] 簡単整備 | TB(0) | CM(1)

WERKE設立記念イベント 第1弾 

みなさんこんばんわ!

今日お客様から一つ提案をいただきました。
いろいろなお客様にWERKEまで足を運んでもらうためのイベントをしてはいかがと・・
そうですよね、一度来ていただければご納得していただけることもあるでしょう。

そこで、ヴェルケ第1弾イベントとして無料点検を実施したいと思います。
メルセデス、ポルシェをずっと見てきた目でお客様のお車を点検いたします。
check

リフトアップして全体の状態を見させてもらい、点検の明細をお渡しいたします。
もし不具合が見つかって、その修理はお客様がいつも出されている修理工場へ持っていかれてもOKです。
もちろんお見積もりもいたします。比較してみてください。

今回の企画は下記の条件といたします。
●平成19年1月19日(金)より実施いたします。
●先着20台限りといたします。
●1991年式以前のメルセデスベンツと1993年式以前のポルシェ964ボディまでとします。
●車検証の確認とご連絡先をお教えください。
●ご予約無しでも点検させていただきますが、他の作業の都合によりお時間をいただいたり、お断りする場合がございます。

みなさんドライブがてらにWERKEまで来てみませんか。
お待ちしております。
[ 2007/01/17 20:21 ] It's New | TB(0) | CM(4)

ポルシェ356B カレラ2のエンジン 

昨日紹介しましたポルシェ356Bのエンジンですが、いろいろ調べてみました。

578/1エンジン・・これはエンジン形式で、No97001 - 97446まで446基しか生産されていません。
356の1600SCで95psから比較するとこのエンジンの130psは当時としてはすごいエンジンだったに違いありません。

部品の値段もとんでもないです。
ピストン、シリンダーASSY(1個)---  184,000円
エンジンヘッドASSY(片側)   --- 2,580,000円
生産中止になってるのでこの金額で手に入るかどうかは不明です。

また情報があればご紹介します。
[ 2007/01/17 12:47 ] PORSCHE | TB(0) | CM(0)

ポルシェ 356B 2000GS カレラ2 

356-1

ちょっと前になりますが、めずらしい356が入庫しました。
356B 2000GS カレラ2 1963年式 1966cc DOHC4気筒 130PS

まだホームページで紹介するなんてことは考えていなかったのであまり画像は残ってませんが、ちょっとご紹介します。

356-6 356-5
エンジンのオイル漏れで預かったのですが、結局全体的の漏れておりオーバーホールに近い作業になってしまい、楽しい作業になりました。

356-10 356-8 356-9
カムシャフトの駆動がギヤによって行われているため、カムタイミングを調整するのにち
ょっと技術を要します。
カムシャフトにはアイマークのような便利なものはありませんから、バルブの開閉する角度を測定してカムタイミングを調整します。
調整の都度カムシャフト関係の部品はすべて分解しなければなりませんし、場合によってはヘッドまで外さなければなりませんから、とんでもなく大変でした。
356-15
間違いがあると大変ですので、念のためドイツよりマニュアルを取り寄せました。
356-17 356-18
このエンジンはかなりめずらしいらしく、調整の方法を知っておられる方は少ないようです。
たまたま知り合いにいなかっただけかもしれませんが・・
356-3 356-2 356-4

356-7
エンジンも調子よく、すごくきれいな車でした。
今は転売されてどこにあるかはわからないのが残念です。

今情報が入りました。
WERKEのドイツスタッフがポルシェマニアなのをころっとわすれておりました。そのまま転記します。

1961年9月にフランクフルトモーターショーで発表。Careera2の2は、2000ccから来ているみたいです。エンジンは578/1式エンジン(メカの人確認してくだされ)してありカレラ2はBのボディーで310台ほど作られたそうだ。

そうだったんです。たった310台だそうです。
[ 2007/01/16 12:25 ] PORSCHE | TB(0) | CM(6)

過給器のお話 

過給器・・・自動車用語では加給器と書くこともあるようですが、一般に知られているターボチャージャーやスーパーチャージャー等に代表される空気を圧縮してエンジンに強制的に送り込む装置の総称です。
変わった過給器ではマツダが採用している排気脈動を利用したマイクロウェーブスーパーチャージャーやラムエアー(ベンチュリの法則の反対で流体速度が遅くなることで圧力が上がる。ベルヌーイの定理)を利用したものもあります。

ここではターボについてちょっと豆知識です。
turbo

ターボ(Turbo)の語源はタービン(Turbine)からきています。
タービンとは気体や液体の運動エネルギーを回転エネルギーに換える風車のようなものをいいます。水車なんかもタービンの一種ですね。
ターボとは・・・説明の必要はないですね(^^)

ターボはもともと自動車用に開発されたわけではありません。
ターボが無ければエンジン出力が確保できないもの。
そうです航空機ですね。
飛行高度が上がれば空気自体が薄くなりどんどんエンジン出力が低下してしまいます。
ターボの開発によって高い高度での出力を維持することができるようになったんです。
最初に搭載されたのは1938年アメリカのB-17爆撃機らしいですが、そんなに古くからターボはあったんですね。
それでもプロペラ機ではプロペラ自体の推力まで小さくなってしまうので、結局はジェットエンジンのように高いところまでは飛べなかったのでしょう。
また余談ですが、ジェットエンジンはターボ自体がエンジンになったようなもので、圧縮された空気に燃料を噴射して燃焼させその排気ガスを推力として利用しているものです。
jet

僕はジェットエンジンが大好きなので、またの機会にジェットエンジンの話をしてみたいと思います。・・・いいですか?

話を戻します。
市販のガソリンエンジンに搭載されたのは1962年アメリカGM社、ヨーロッパでは1973年BMWの02が初めてのようです。まだ歴史は浅いですね。
日本ではもっと遅く、当時の運輸省が「暴走行為を助長する」との見解で認めなかったのは良く知られてますが、ターボは省エネにつながるとして1979年にやっとセドリック/グロリアに搭載されました。

なぜターボでエンジン出力が上がるか・・簡単ですね、より多くの空気をシリンダーへ導入できるからです。
たとえば1000ccの排気量のエンジンに大気圧で1500cc分の空気を送り込むんです。単純に考えたならば1.5倍の出力が期待できます。
パワーウエイトレシオは各段に良くなりますね。
実際には以前に紹介したようにターボでも空気を圧縮したことになりますから吸気温度が上昇します、その空気をピストンで圧縮するのでより温度が上がりノッキングが起こってしまいますからエンジンの圧縮比を下げる必要がでてきます。同じ理由で過給圧力にも制限がでてきます。
市販車では0.8kg/cm前後でしょうか。
それを少しでも改善するためにターボによって高温になった空気を冷やしてより空気密度を上げてやるインタークーラーなどがあります。
それでも自然吸気のエンジンよりも圧縮比が低くなるため、ターボがあまり過給していない低回転域で使用すると返って燃費が悪くなります。

逆にターボはディーゼルエンジンには最適です。
ディーゼルエンジンの詳細については機会をみてまたご紹介しますが、混合気を圧縮するのではなく圧縮され高温になった空気に燃料を噴射し自然発火燃焼させる方法ですから、圧縮比を構造上可能な範囲で上げることができます。過給圧にも同じく制限はありませんが、アイドリングから高回転まで幅広い回転域を利用する自動車にはあまり大きな過給圧は扱いやすさからいって不向きでしょう。
ターボにはいろいろな利点がありますが、排気ガス規制の観点から最近では少なくなる傾向にあるようです。
[ 2007/01/15 13:27 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(3)

ブレーキ鳴き 

メルセデスでは当たり前(?)のブレーキの鳴き止めです。

「キー」という耳障りな音。嫌ですね。
皆さんもいろいろ対策されているでしょう。
整備工場に依頼すると意外と高い金額を請求されますから、自分でやってみるのも勉強です。
普段からご自分でされている方には新しい技術ではありませんから、無視してください(照
brake1
音はブレーキパッドが摩擦により共振している状態です。
パッド面の端が原因になることが多いので、パッド面の4端を少し削ります。グラインダーなどがあればいいですが、なければコンクリートの床でもOK(笑
brake2
回転方向側は大きめに削ってください。
brake3
パッドに当るところに耐熱グリス(カーショップで手に入ります)を塗ります。
brake4

brake5
市販の鳴き止めフィルムなどを裏面に貼るのも効果的ですが、ブレーキのフィーリングが柔らかくなるので薄いステンレス板などでも効果はあります。
brake-sim

これが標準的な鳴き止め作業です。
鳴き止め作業は必ず左右行ってください。片効きする恐れがあります。

ブレーキディスクとの当り方を変えてやる(共振する条件が変わる)ことで音が出なくなることが多いのです。
大きなパット面の中央あたりに切り溝を入れてやることも有効でしょう。
ただし当たる面積は確実に小さくなっています。したがってブレーキの効きは理論上悪くなってはいますが体感できるほどではないでしょう。

簡単整備でした。
[ 2007/01/14 21:47 ] 簡単整備 | TB(0) | CM(0)

嬉しいお話 

みなさんありがとうございますm(__)m

このブログを始めて一週間。
読みづらい文章にもかかわらず、700件を超えるアクセスをいただいて非常に感激しています。
今日はこのブログを見て訪ねて来てくださったお客様が2人もいらっしゃいました。
本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

ちょっとお話というテーマで書こうと思ったのは、こんなことがきっかけでした。
僕が普段整備しているところへ日本車のディーラーで働く同じ整備士の方が、興味を持たれて話しかけてこられることが多く、いろいろ話しているうちに自分も古い車を整備してみたいという方が何人かおられました。
一人でも多くこの良き時代の車を理解してくれれば、それは非常に嬉しいことです。
もちろん整備士の資格もすでにもってられるみたいですので、すぐにでもいろいろ教えていきたいところです。

でもその前にいつもこの「ちょっとお話」の内容を話してみるのです。
「プラグのギャップって広げるとどうなるん?」とか「DOHCってなんでわざわざカムシャフト2本にしてるん?」とか・・
僕は意地悪なやつですね~(^^)
これが不思議なんですが、誰一人答えられないんです。
もちろん自動車整備士の資格試験にはそんな問題は出題されませんから仕方ないのかもしれません。
でもお客様に整備した内容を説明する整備士なんだから、なぜこんな整備をしなければならないのか胸張って説明してほしいじゃないですか。
なぜこの部品が付いてるのかをちょっと疑問に思ってくれれば、もっと自分で調べる努力をすると思うのです。

ある整備士の方がエンジンのかからない車と悪戦苦闘した最後にこう言われてました・・
彼「直ったで~」
僕「やりましたね!何が悪かったんですか?」
彼「いやあ、ようわからんけどいろいろ交換したらエンジンかかった」
僕「・・・」

「この部品が悪かったので交換しました」・・皆さんもこんな説明を受けたことがありませんか?
何の部品ですか?どう悪かったんですか?なぜ悪くなったんですか?交換するしかないんですか?
・・・理由はわかりませんが、新品にすれば直ることが多いんです。
・・・直れば理由はいらないんです。

車は人が造ったものです。一つ一つ部品には理由があります。
その部品の構造を理解してやれば車は必ず直ります。答えてくれます。

それぞれのオーナーの方が少しでもその理由に興味をもっていただければ、無駄な整備費用を払わなくて済むようになるかもしれません。
自分で直せるかもしれません。
それで少しでも永くその車に乗り続けてください。

そんな願いからこれからもちょっとお話は続けていきますので、ぜひお付き合いください。
よろしくお願いいたします。

ちょっと興奮しているWERKEのメカニックでした。

[ 2007/01/13 22:50 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

燃焼について Part3 

みなさまこんばんわ。
日中に一生懸命入力した内容が消えてしまいました・・・
くやし~!!
自分でもなかなか内容が濃いと思っていたのに・・残念です。
気を取り直してもう一度挑戦します。

点火時期(イグニションタイミング)についてちょっとご紹介します。
最近の車ではほとんどが自動調整になっているので、あまり気にしていないのがこの点火時期ですね。でもとっても重要なんです。

エンジンは吸気した混合気を圧縮してプラグで火を点けてその膨張する力をピストンで受けて回転運動を取り出しています。
すごい速さで動いているピストンが混合気を圧縮しきったところ(圧縮上死点、TDC)で点火しても遅すぎることは皆さんご存知ですよね。
そうです前回お話したように爆発燃焼といえども時間がかかるんです。

ということは点火して燃焼による圧力が急激に上昇するポイントを上死点付近(実際には一番効率よく圧力を回転運動に変換できる角度があるんですが、そんな物理博士のようなところまではわかりません)になるように点火時期を早めてやらなければなりません。

では点火時期を大きく早めなければならない時とはどんな状態でしょうか?
1. 高回転のとき
2. 燃焼スピードが緩慢(遅い)とき

上記2は勘違いしやすいので注意ですよ。
アイドリングのようにエンジンに負荷のかかっていないときです。
フルスロットルで加速しているときなどは、燃焼スピードが早いので点火時期はそんなに早くする必要はありません。
一番点火時期を早くしなければならないのは、空吹かしで高回転にしているときですね。

はい。ここで一つ疑問がでてきますね。
私たちが点火時期を確認や調整できるのは、アイドリング状態がほとんどです。
エンジンのパワーを考えるならばフルスロットルでの点火時期を調整してやらなければならないのに、そんなことは普通では無理なんです。
仕方なくアイドリングで規定通りに合わせているのですね。
あとはディストリビューターに組み込まれている進角装置におまかせなんです。
不安じゃないですか?こんな古い車なのに・・と考えたりしませんか?

ディストリビューターには普通2つの機能が付いてます。(メルセデスのW116の一部は3つですが)
回転数による進角装置とバキュームによる進角装置です。
その通り!もちろん壊れることがあります。
もしタイミングライトをお持ちでしたら試してみてください。
角度を見ながらスロットルをゆっくり空けてみたときと、急激に空けてみたときの違いと高回転にしたときにどれだけ早くなるか。
今までお話してきたことが数値で確かめられますよ。
おかしいなと思ったらご連絡ください。

またまた余談ですが、僕たちの間では加速の時に少しノッキング音がするくらいが一番パワーがあるってよく耳にします。
実際はどうなんでしょうか・・どなたかそれを調べていただけませんか。
ノッキングは燃焼時の衝撃波かもしくはピストンがシリンダーに当たっている音ということなので、どちらもエンジンにはいい影響だとはいえませんから、この伝説を誰か証明してくださいませ。
[ 2007/01/12 22:55 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(0)

ポルシェ 964ターボ 

こんにちは。

ポルシェ964ターボが車検で入庫しました。
964-1

詳細はまたご紹介しますね。

話は変わりますが、近いうちにWERKEのスタッフ紹介をしたいと思っています。
写真を撮って・・・・この歳になってくるとレンズを向けられるのにすごく抵抗を感じてしまいますね。
お見せして皆様の気分を害することもあるでしょうし・・

ドイツのスタッフにもドイツらしい写真を送るよう伝えてありますが、それぞれの写真が揃い次第紹介したいと思います。
とりあえず今日の僕の仕事は、伸びっぱなしの髪を切りに行くことだと周りから言われますので、これから行ってまいります。



[ 2007/01/11 13:44 ] PORSCHE | TB(0) | CM(1)

190Eのエバポレーター 

メルセデスベンツ190Eのクーラーエバポレーターの交換です。

ええっ!エバ?!とメカの方ならとんでもなく大変だと思ってしまいがち。普通はダッシュの中にあるので室内をバラバラにしなければならないからですね。
でも190Eは大丈夫です。
エンジンルーム側から取り外すことができます。
190Eeva1

外れました、漏れたオイルでベタベタですね。
190Eeva2

そして新品です。これは純正ではなく日本で作ったものです。
190Eeva3
こちらの方が安心ですね。

[ 2007/01/10 20:39 ] W201 | TB(0) | CM(0)

燃焼について part2 

前回は燃焼スピードを早くするための燃焼室の形状についてお話しました。

ここでは圧縮比についてちょっと豆知識です。
エンジンを知っている方なら誰でも混合気を圧縮してプラグで点火することは知っておられるでしょう。
ではなぜ圧縮するかはご存知ですよね?
そうです燃焼スピードを早くして一気に燃焼させることでより大きな熱膨張の力を得るためです。
いくらガソリンでも大気圧の状態では爆発的な燃焼は期待できないのです。

たとえばガソリンを床にこぼしてマッチで火を点けるとどうなりますか?一般の方でガソリンをこぼすなんてことはないですですね。
よく使われるものとしてアウトドア用品のホワイトガスがほぼ同じ成分ですからそれでお考えいただければいいかと思います。(実験するのはお勧めできませんけど)
大きく燃え上がりはしますが、爆発とまではいきませんね。

余談ですが前回お話したガソリンエンジンが発明される以前は圧縮することはよくないと考えられていたようで、結果6,000ccの混合気からたった1HPの出力しか得られなかったと記録されています。

では圧縮比をものすごく大きくすればものすごいパワーが期待できるじゃないですか!
はい。そんな簡単ではないんですね。
ガゾリンエンジンでは8:1~10:1ぐらいが普通でしょうか。
こんな疑問をもたれた方はいらっしゃいますか・・
なぜもっと上げてやることができないのでしょう。

それにはこんな問題があります。
気体を圧縮するとその気体の温度が上がってしまうのです。
(ディーゼルエンジンはこの熱を利用しているのですね)
ガソリンエンジンでは混合気を圧縮するので混合気自体の温度が上がり上死点前に燃えてしまう、いわゆるノッキングが起こってしまいます。

ここでご存知ハイオクガソリンが登場するんですね。
オクタン価・・ノッキングをおこしにくい度合を表す単位。昔はあの有毒な金属の鉛を混合させてオクタン価を上げていましたね。

メルセデスではほとんどがハイオク仕様になっていますが、昭和53年度排ガス規制のころ、そうですまだ有鉛のハイオクガソリンが全盛だったころです。排気ガスの浄化装置として触媒が取り付けられてきました。この触媒は有鉛ガソリンでは詰まってしまいます。
そのお陰?といってはなんですがメルセデスにもレギュラー仕様の車が一時期存在します。ご存知でしたか?たしか1978~1985年までがそうなると思います。
圧縮比の比較をしてみましょう。直6エンジンの一例です
280SL 1967~1971 M130エンジン(ハイオク) -- 9.5:1
280E  1976~1985 M110エンジン(レギュラー)-- 8.7:1
300E  1986~1991 M103エンジン(ハイオク) -- 9.2:1 

この次に燃焼を強くするためにターボやスーパーチャージャーが登場しますが、これはエンジンのパワーのお話を別の機会に設けます。

僕たちは「燃焼の3原則」というのをいつも考えながら作業しています。
1.良い混合比
2.良い圧縮
3.良い火花
この三つが揃えばエンジンは始動します。
エンジンがかからないときはこれを一つ一つ確認していくわけです。

そこで燃焼での最後は点火についてですが、イグニションタイミングなど僕の経験からお話したいとおもいます。
・・・もちろん、読むのに疲れた皆さんのために次回にします。
[ 2007/01/10 15:53 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(2)

燃焼につて 

今回は燃焼についてちょっとご紹介します。
皆さんが一番興味がある内容ではないでしょうか(^^)

このお話については奥が深すぎて僕もよくわかってませんが、とにかく思いつきでどんどん書いていこうと思います。支離滅裂になってても許してください。もともと日本語は得意ではないですから・・

さて燃焼といってもいろんな燃え方がありますよね。
情熱とか考えた方・・僕と程度は同じなんでちょっと心配です。
燃焼とは、物質が光と熱の放出しながら、空気中の酸素と化合する化学変化のことです。ろうそくやガスコンロなどのように炎が発生するものと、線香やタバコのような炎の発生しないものがあります。

その中でエンジンで利用しているのは爆発燃焼です。
爆発とは燃焼の伝搬速度が速い急速な燃焼という定義があるようですが、要するにある容積の物質が一気に燃えることだと思ってください。
その燃えるスピードが速いほど大きな力が得られます。

ガソリンエンジンは1883年にあの有名なゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハの手によって発明されました。
first engine
すごいですね・・この人たちのお陰で今の車があるのですよ。

脱線しました・・で、発明当時は馬力も小さく回転数も900回転ほどだったと記憶していますが。
それから現在まで大きな出力を得るために燃焼のスピードを早くする努力をずっと行ってきた訳です。

ではどうすれば燃焼スピードが速くなる?
まず燃焼室の形状について考えてみましょう。
爆発といってもプラグで点火されてから燃焼室の混合気が全部燃えるまでには当然時間がかかります。
イメージしてみてください。プラグから火が点いて徐々に燃え広がっていき燃焼室の壁に達する。
もし、プラグから燃焼室の端までの距離が遠かったらなかなか最後まで燃えませんよね。
ということは、燃焼室の隅々までをプラグから一番近くするには燃焼室を球形にしてその中心にプラグを配置するのが最良ということになります。
ですから現在の車のほとんどは燃焼室は丸くお椀型で真ん中にプラグがありその周りにバルブが配置されているんです。

発明当時の燃焼室の形状は僕も残念ながら知りませんが、ヤナセが初めてメルセデスを販売した1952年の170Vという車のエンジンはサイドバルブ方式(エンジンブロックにバルブが配置されている)で燃焼室の形状は歪な形をしていました。その一番端にプラグがあるのでは燃焼スピードが速いわけがないのです。
170V
その後燃焼室をできるだけ球形にするためにOHV方式が考えられバルブをピストンの上に配置するようになりましたが、まだこれではバルブが横並びになり燃焼室の形状はくさび形をしてるのが多くみられます。そこでバルブを両サイドから配置するために今のOHCになり、ベンツではM110エンジンのようなDOHCが開発されたんですね。

では燃焼スピードを上げる方法として圧縮比を考えてみましょう・・・っと今回が長くなってるので次回にしますね。

[ 2007/01/09 14:15 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(0)

メルセデスベンツ用 ステアリングギヤボックス 

数あるリビルト部品の中でステアリングのギヤボックスを紹介します。

gearbox
メルセデスベンツのもう旧車と呼ばれる車たちにはこんな形のギヤボックスが取り付けられていました。
構造的にはステアリング側のシャフト周りにボールが循環するように配置されていてるタイプです。
このギヤボックスのステアリングから伝わってくるフィーリングは、僕も含めて旧車ファンの方々はきっと好きなんではないでしょうか。

ただ構造的に磨耗する部品が多いためにやはり定期的に調整やオーバーホールしてやることが必要になってきます。
内部の部品やシールキットなども供給されていますので、多くの整備工場では独自で分解してオーバーホールされているようです。
もちろん僕もすることはありますが、最近ではできる限りリビルトを使用するようにしています。
何故なら僕が取り扱っているリビルトは、日本国内では品質的に最高であろうという信頼があるからです。
そのリビルトをお願いしているのは、ヤナセでこのギヤボックスやミッション、エンジン、デファレンシャルといったユニット単位でのオーバーホールを専門にしている部署で、昨年まで27年間ずっと携わってきたというとんでもない人間です。
ちなみに僕とヤナセに同期入社で卒業した学校まで同じです。学校はナイショですが・・
やはり改善されている箇所も多くあるようで、場合によっては新品よりいいものになることもあります。
せっかく費用をかけるんですから、よりいいものを選びたいですよね。

最近のメルセデスのギヤボックスはラックアンドピニオン方式に変更され、日本車等と同じ構造になりました。
これが駄目なわけではありませんが、ただ一部車種(W220等)でオーバーホールできる構造になっていないようです。もちろん内部の部品供給もありませんから、現在日本では新品を注文するか中古品を探すかしかないようです。

ここでWERKE自慢ののネットワークからこれをオーバーホールできる工場を海外で見つけました。
rack1
オーバーホールできないはずのものをしている・・・怪しいではないですか。
僕としては確かめずに仕入れるなんてことはできません!
そこで・・行ってまいりました大好きな飛行機に乗って(^^)/
WERKEのスタッフからは”あんた飛行機に乗りたいだけちゃうん?”と攻められながらですが(汗

出来ないとされている部分を見事に克服していました。
なるほどオーバーホールに必要な部品供給がない理由がここで明らかになりました。
メインになる部品の精密な加工修正が必要になるからです。
rack3

rack5

rack6

そこでの技術者はもともとメルセデスのメーカーに在籍していた経験の持ち主でレベルもけっこう高いようです。
故障の原因になっている部品も確実に対策されています。
最後に完成品のベンチテストも行われていて、かなり信頼性は高いと感じました。
rack4
もちろん輸入開始することになり、年末に127本が入荷しました。
rack2
大量発注の前にすでに10台以上の車に取り付けていますが、現在のところ何のトラブルもないのがそれを証明してくれています。

さて、いっぱい入荷しましたので頑張って販売しなければなりません。
皆さん協力してください。よろしくお願いいたします。

このラックアンドピニオンに関してはかなり種類がありますので、在庫の有無等は一度ご連絡ください。
[ 2007/01/08 20:30 ] リビルト | TB(0) | CM(0)

スパークプラグのお話 つづき 

前回はプラグの熱価のお話をしましたが、今回は少しマニアックに火花の強さについて
ちょっと豆知識

spark
これはイグニションモジュールの動作試験の画像です。
シャッタースピードが遅いためにここに写っているプラグ全部に火花が見えてしまってますが、実際にはバラバラにスパークしてます。

プラグの火花とは空気中を電気が放電している状態ですね。
そうです雷と同じです。
よく見かけるバッテリーをショートさせてバチバチと飛ぶ火花とは違います。


空気中に放電させるのにはすごく高い電圧が必要で、プラグのあの小さな隙間に放電させるのにも1万ボルト以上の電圧が必要なのです。
それは空気(地球上の大気)自体が電気を通しにくい絶縁体になるからです。
逆に空気の無い状態(真空)にしてやると放電しやすくなります。昔使われていた真空管などはこの原理を利用したものですね。
中には電気を通しやすい気体(ネオンガスやアルゴンガスなど)もありますがここでは考えないでおきましょう。

プラグのギャップ(隙間)はその種類によって決められていますが、それはそのプラグが一番効率よくスパークできるギャップなのでしょう。
ここではあえてそれを無視してそのギャップを大きく広げてみます。
そこにスパークさせようとするとより高い電圧が必要になります。
これはギャップの間の絶縁体である空気の量が増えたからです。
電圧が高くなった分電気エネルギーは大きくなりますから、火花は強くなったということですよね?!これを使わない手はありません。(^^)v
アイドリングで少しミスファイヤするなんて症状のときには改善する可能性がありますよ。

ただし、当たり前ですが弊害があります。
ここでもっと詳しく紹介していきますね。
先ほど空気の量が増えたと説明しましたが、エンジンは吸入空気の量をスロットルバルブで調整して回転数を変化させています。
ということはアイドリングで調子いい状態でも、アクセルを踏み込んだときにはより多くの空気が導入され、もっと高い電圧が必要になって場合によってはスパークできない状態までなることもあるでしょう。

高電圧を発生させているのがイグニションコイルなんですが、こいつはとても賢いんですよ。
低い電圧で済むときはその電圧で電気を流しますが、高い電圧が必要な時にはジッと我慢してエネルギーを溜め一気に放出するんです。
でもこのコイルにも能力に限界があります。
特に古い車のコイルはあまり高電圧を発生できませんから、注意する必要があります。またポイント式の場合はポイント接点の負担も増えます。
あと一定時間にスパークできる回数も少なくなりますから、高回転で失火する恐れもあります。

電気は水の流れによくたとえられますが、流れやすい方にどんどん行ってしまいます。プラグの電極に行くまでにはいろんな誘惑がありますからね。
よくあるのは湿気です。雨の日に調子が悪いってことがあるのはこのためでしょう。

余談ですが混合気はガソリンを含んでるのでスパークしやすいんです。
昔の車はガソリンが濃いですからコイルの能力も小さくてすんだんですね。
今の車は希薄燃焼ですからより大きな火花が求められますし、最高回転数も違いますからイグニションシステムはどんどん進化しているのでしょう。

次のちょっとお話では、エンジンの燃焼についてご紹介します。(^^)/~
[ 2007/01/08 13:25 ] ちょっとお話 | TB(0) | CM(0)

クーラー修理 

今日お預かりした190E-2.6はクーラーが効かないとのことでした。

この寒いときにすごく不思議な依頼ですよね。
ましてや今日ここ枚方市は朝の気温0℃!
不思議に思われた方もいらっしゃると思いますが、そうです除湿ができないんです。
車内が曇って走れないとのこと。
190Efu
もともとこの季節はクーラーのスイッチレバーを最強にしてもほとんどコンプレッサーは回っていません。
すぐ冷えるのでサーモスイッチが働いてしまうからです。
それでもちゃんと除湿するんですね。

調べたところクーラーガスが抜けてしまってました。
gas meter
この時期のクーラーガスはもちろん旧ガスですが、この車はもともと1シーズンに1回はガスを補充するぐらいの微量の漏れがあったので、お客様の意向で新ガスに変更してあります。
new valve
漏れの箇所を検知器で確認。残念ながらエバポレーターからでした。
このまま預かって修理します。

経過はまた報告します。
[ 2007/01/07 20:29 ] W201 | TB(0) | CM(0)

オールドメルセデス 220SEBクーペ 

W111 220SEBクーペ エンジンオーバーホールのつづきです。
今回はエンジン調整のポイントを紹介します。

この車のエンジンはM127.984・・・1965年式
ものすごく古いエンジンです。
日本車ではクラウンのドアが観音開きの時代でしょうか?
日本車の歴史はあまり詳しくはありませんが・・
とにかく古いエンジンにもかかわらず、すでにインジェクションになっていたんです。すごいですね~
ただディーゼルと同じご存知インジェクションポンプ式です。
その中でも初期のタイプで、下図のようにポンプからの燃料の出口は2つしかありません。
pump2
これを6気筒に分けるのです。その装置がこれ。
111fuel
いわゆるフューエルディストリビューターです。
ただこの装置は非常に原始的で、小さな穴(オリフィス)で燃料の流量の平均化をしているのです。
これだけ古くなるとガソリンに含まれているゴミやら不純物で、その小さな穴が6気筒全部同じになってるわけがありません。
本来ならこれは故障ですから通常は新品と交換になるでしょうが、
先ほどちょっと調べましたら、もう部品が存在しないようです。
あとはメーカーに直接問い合わせるか本国で探し回るかしかありませんが、とんでもない金額なのは間違いないでしょう。
ここではちょこっと分解して一生懸命ゴソゴソと掃除して小さな穴を平均にします。そうです根気が命です。

次はスロットルリンケージをニュートラルポジションになるよう組み付けます。
この時各リンケージのジョイント部分のガタをできるだけ小さくします。
このエンジンにはエアーフローセンサーなんてものが付いていませんから、このリンケージだけで燃料と空気のバランスを調整しています。
さあこれでの基本準備ができました。(イグニション関係は別の機会にご紹介します)

燃料の濃さを調整するのは、ポンプの後ろに付いているダイヤルを押し回し・・・この作業は必ずエンジンを止めて行ってください。掛けたまますると壊れます。
右に回せは濃く、左に回せば薄くなります。

エンジンを始動してみましょう。
どんな状態でしょうか・・

アイドリングの調整ですが、ちょっとだけ面倒です。
エアーアジャストスクリューがこの車ではスロットルバルブの横あたりにありますが、これは空気の量しか調整できませんからアイドリングを上げたければエアースクリューを左へ回して一度エンジンを止め、ポンプの方で燃料を少し濃くしてやります。

ここがポイントです。
常に燃料と空気の割合を一定にしてやらなければなりません。

エアースクリューを右に回してやると空気量が少なくなるのでアイドリングは下がりますが、出てる燃料は変わってませんから通常より濃い状態になってしまってるので要注意です。

燃料と空気の割合が適正かどうかはCOテスターがあれば簡単ですが、そんなものを持ってる方は普通おられないので、目安としての方法を紹介します。
アイドリング状態で空気の量を一定にして燃料の量を多くしたり少なくしたりすると回転数が変化しますよね。
一番回転が高くなるところが一番パワーがでる割合になってるんですが、これでは少し燃料が濃すぎる状態でこのままですとプラグがかぶってしまいます。
その状態から少しずつ燃料を薄くして急激に調子が悪くなるところがあります。その中間ぐらいがおおよそ適正の割合です。
この方法はどのタイプのエンジンでもほぼ共通ですから試してみてください。

今回はこのくらいで。

コメントなんかいただければ嬉しいです。
[ 2007/01/07 17:47 ] W111 | TB(0) | CM(0)

メルセデス220SEB 

先日エンジンオーバーホールしました、メルセデスベンツ220SEBクーペを紹介します。
111

オーバーホールの原因はマフラーより白煙モクモクでした。

以前にバルブシールの交換だけはしてあるのですが、症状は改善されず。
オイル上がりの可能性が考えられますので、とりあえずシリンダーヘッドを外してみることに。

この時の画像が無いのが残念ですが・・・
ピストン上部のカーボンの付着具合からみて、オイル上がりは若干しているようです。なにぶんこの年式・・実走距離は不明。
想像通りシリンダーはかなり磨耗していることと、ピストンリングの機能に問題がありそうです。
お客様と相談の上シリンダーをボーリングすることにしました。
111piston
写真は古いピストンと1サイズ大きいピストン。
ボーリングすることによってシリンダーボアが大きくなる分、ピストンも大きくしなければなりません。
ここで心配になるのが費用の面ですね。しかし、ピストンリングだけでもピストンAssyとそれほど金額は変わりませんから、極端に負担が大きくなるわけではありません。
逆に言えばピストンリングだけの金額が高すぎるともいえますが・・
111cnrod
メタル類も全部交換します。
111block2
美しい!!
111head
各バルブ、バルブシート共研磨、バルブガイドも交換してヘッドも完璧!

ただこのM127エンジンはバルブシールの構造ががあまり良くありません。
今のタイプとは違いエキゾースト側のシールがバルブと一緒に動いてしまい、バルブが全開の時だけしかシールの役目をはたしません。下図の434番が問題のシールです。
M127valve

このエンジンはもともと多少のオイル下がりは仕方ないのかもしれません。
でもこれではせっかくのオーバーホールも完璧とはいえません。
さて、ここからがヴェルケが得意な部分です。
新しいタイプのバルブシールを付けられるように改造して、シールをガイド側に固定し常時シールするようにします。
これで完璧です。白煙の出ることは無いでしょう。
111eng
ほぼエンジン本体は完成しました。

次回はエンジン調整の部分をちょっと紹介しますね。
[ 2007/01/06 18:08 ] W111 | TB(0) | CM(2)
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