みなさんゴールデンウィークはいかがでしたか。
僕も久しぶりにゴルフなどさせていただきました^^;
スパナやハンマーを持ったときにはすばらしい仕事を?するのですが、あの長い「木」や「鉄」は僕を嫌っているようでうまく使えません・・・も少し道具から好かれるように努力します。
今日はメルセデスのM110エンジンのバルブクリアランス調整を紹介します。
M110はメルセデスでは直6エンジンの代表的な存在ですね。
にもかかわらず、まだ油圧タペット(オイルリフター)になっていないこのエンジンは定期的にバルブクリアランスの調整をしなければなりません。
M110オーナーの方々、ご存知でしたか?定期的に調整してますか?ガチャガチャというタペット音が大きくありませんか?
ということで、バルブクリアランス調整はご自分でもできます。挑戦してみてください。
このエンジンはツインカム(DOHC)にもかかわらず、ロッカアームが付いています。
ツインカムのエンジンはロッカアームを必要としないことがメリットなんですが・・・
なぜこんな設計になったのかは定かではありませんが、メンテナンス部分に重要性を考えた設計なのでしょう、おかげでバルブクリアランスの調整は非常に簡単です。
まず、調整するバルブのカムが真上になるようにクランクを回します。
カムがロッカアームを押し下げている状態ではクリアランスはありませんからね。
ここで便利な方法を伝授(^O^)
セルモーターをちょこっと回してやればクランクを回すのが簡単。
調整するバルブのカムを上にする手間が楽チンになります。
写真のようなスイッチを用意して配線を作ります。
ヤナセ時代の同僚が見ると「懐かしい~」なんて声が聞えてきそうですが、通称「セルちょん」といってその名の通りセルをちょんと回すスイッチです。僕達は個々に所有してました。
当時は調整する機会がそれほど多かったということですね。
この車はW123ですが、だいたいオルタネーターに近い右フレームの上あたりに写真のような(分かりづらいですが)ターミナルがあります。
例外もありますが、3つほど並んだターミナルの一番小さいターミナルがセルモーターのプルインソレノイドに繋がっています。
そこにセルちょんの配線の片側を繋ぎ、もう片側はバッテリーの+に繋いで、スイッチを一瞬ONにしてやればセルモーターが一瞬回るというわけですね。
調整はほんと簡単です。
ロッカアームの下にあるボールピンを17mmのスパナで回すだけで調整できます。
スパナが入りにくい場合はロッカアームを固定しているスプリングを写真のようにドライバーなどで外してください。
調整値は40℃以下の冷間で
IN 0.10mm
EX 0.25mm
80℃以上の温間ではそれぞれ0.05mm大きくなり
IN 0.15mm
EX 0.30mm
になります。
ただし温間では速やかに調整しなければ、どんどんエンジンの温度が下がってしまうので、できるかぎり冷間で調整する方がいいでしょうね。
(写真では温間で調整していたので熱くて軍手をしてます。これもあまりお勧めではありません)
すべての調整が終わったら、最後に先ほど外したロッカアームのスプリングを取り付けて終了ですが、外していないスプリングもキチッと入っているかどうか念のため小さなハンマーなどで確認してください。
前出の右の写真のようにスプリングの入る位置はボールピンの間です。
最後にタペットカバーを取り付ける際の注意です。
ご存知の方も多いでしょうが、中央の3本のボルトにはシールワッシャが付きます。
写真では分かりづらいですが、石綿を包んだこのシールワッシャには表裏があります。
亀裂がある方がボルト側、無い方がタペットカバー側になるように取り付けます。
間違っていてもさほど問題があるわけではありませんが、プロとして恥ずかしくないように心がけてます(^o^;
みなさん。ぜひ挑戦してくださいね。
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