kジェトロニックのウイークポイント 

昨日は大阪もすごい雨でした。
みなさんの地域は大丈夫でしたか?
大雨の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
幸いここWERKEは少し高い位置にあるせいか川の氾濫を気にする必要はないようですが、天気が変わりやすく雨が多いような気がします。
日中の猛暑の時に涼しくなるようなちょうどいいぐらいの雨なら歓迎なんですけどね。

さて、今日はドイツ車で多く採用されているKジェトロの弱点ともいえる故障があったので少しご紹介しておきます。
80729-1
KAインジェクションとも呼ばれるこのインジェクションは、強力なフューエルポンプからの高い燃料圧力を利用して燃料制御のほとんどを電子制御ではなく機械的に行っている非常に画期的なシステムです。
僕がいつも画期的という表現をするこのシステムのいいところは、今の車に多く使われているコンピューター制御のようにどの部品が壊れてもエンジンがかからなくなるのではなく、燃料ポンプさえ正常に動いていればエンジンはかかっているというところでしょうか。

メルセデスの魅力の一つとして僕が感じるのは、故障はしてもなんとか乗って帰れるというものではないかと思います。
他にも例を挙げるとすると、まずはヒーターバルブ。
お国柄とんでもなく寒くなる地域、ヒーターの制御が壊れたらバルブは全開となり極寒でも大丈夫。暑ければ窓を空ければいいとの考え方。
ブレーキのオイルラインは2系統、一つのラインでオイル漏れがあってもなんとかブレーキは効きます。
スターターモーターの故障、古くからATミッションを採用しているメルセデスはATの油圧ポンプを出力側にも付けることで、いわゆるエンジンを押し掛けできるようになっています。

また話が逸れてしまいましたが、そんな画期的?なKジェトロにもこんな弱点があるんです。
細かい金属バルブによる機械的制御をしているために、不純物に弱いのです。

一番の大敵は水ですね。
燃料タンクには必ずといっていいほど水分が混入します。
空気中の水蒸気がタンク内で水滴になることが原因です。
これをどうやって取り除くかなのですが、基本的にはどんどん走ってどんどん燃料と一緒にエンジンに送ってしまうのがいいでしょう。
止まっている時間が長い時は、燃料タンク内の空間をできるだけ少なく(満タン)にしてやることで水分の混入は少なくなります。
混入した水がフューエルライン内で長時間滞留するとバルブ類にサビが発生することがありますから注意したいですね。

水抜き剤は基本的にアルコール系なので、多用すると逆効果になりかねませんから注意が必要です。

問題は今回の故障・・・・
僕らの中では分解はタブーとされていたフューエルディストリビューター・・・・
壊れてしまっているものを治すことができないかと、いわばパンドラの箱を開けてみました。

80729-2

精密機械のはずの中はこんなことになっていました。
80729-3 80729-4

結晶化してしまった不純物。。。
もちろんガソリンはフィルターでろ過されているはず・・・
80729-5 80729-6

この結晶はガソリンに溶け込んで流れてきたものに間違いはないでしょう。
80729-7 80729-8

ガソリンに溶け込んで・・・・
考えられるのは添加剤しかありませんね。

もちろん添加剤にはいいものもありますから使用されることを否定はしませんが、WERKEではガソリン添加剤に限らず、添加剤をお勧めすることはほとんどありません。

みなさんもいろんな商品がある中から、これはというものを選んで使用してくださいね^ ^

[ 2008/07/29 23:02 ] 故障診断 | TB(0) | CM(2)

進角機能 

今日はエンジン不調の故障診断のお話です。
不良だったのはこの部品。

80301-5

WERKEで123イグニションを取り扱いしてからよく目にするようになったディストリビューターのという部品ですが、さて皆さんこの部品の本来の役割はご存知でしたか?

基本的な役目はその名前の通り、ディストリビューター(distributer)=分配器です。
そうです、一つのイグニションコイルで発生させた高電圧を各気筒のスパークプラグに分配するものです。

進化するエンジンの中でディストリビューターも少しずつ進化してきたわけですが、最近のエンジンではダイレクトイグニションというシステムになりディストリビューターは存在しなくなってしまいました。
進化するのはいいことなんですが、故障原因を見つけるのに専用の診断テスターなどがなければできなくなってきて便利になったのか不便になったのか・・、僕たちのような理屈で修理するメカさんにはかえって面倒なシステムになってきてます。

ちょっと話がそれましたが、メルセデスでは1985年以前のエンジンにはディストリビューターの機能の中にイグニションタイミングの進角機能があります。

また余談ですが、'86以降はイグニションモジュールというイグナイターの中でデジタル進角させる方式に変更されています。
このシステムに代表される560のエンジンではデスキャップやローターがとんでもなく大きいですよね。
80301-6
これはデスキャップとローターの空間接点に進角する分の幅を持たせなければならなくなったためです。

はい、話を戻します。
先日メルセデスW108の280Sのお客様がエンジン不調で来店されました。
調子がいい時と悪い時の差が大きいとのこと。

一通りの調整を済ませて調子のいい状態から回転を2,000rpmほどにしばらく上げてやってアイドリングにもどしてやると・・・いきなり調子が悪い状態に。
何度かスロットルを煽ってやると調子が良くなる。

キャブのバランスや燃料の濃さには変化がないのに、調子だけ変わる状態。

調子の悪い状態で、もう一度イグニションタイミングを点検してみると調整したときと変わっている。
原因はここにありました。

ディストリビューターを取り外して分解。
80301-1

80301-3 80301-4

遠心ガバナのスプリングが破損していました。
アイドリングではニュートラルに戻らなければならないものが進角しっぱなし。
進角した状態で調整すれば、ニュートラルに戻ったときにアイドリング不調になるのは当たり前。
80301-2
右は正常なものです。
残念ながらディストリビューターごと交換するしかありません。

今日の故障診断はいかがでしたか?
こんな症状があるときは調べてみましょう。
[ 2008/03/01 23:22 ] 故障診断 | TB(0) | CM(2)

ボディ振動 

ボディの振動といってもいろいろな振動があり、またその原因もさまざまです。
その中でもよく見られる振動についていくつかご紹介します。

ボディに伝わってくる振動を車のスピードで分けて考えていきましょう。

①車が停止している時にボディが振動する。
これはエンジンの振れが原因ですね。
ただエンジンの異常なのかマウント類の異常なのかは調べてみないとわかりません。
以前W201、124などに使われているダンバー内臓のエンジンマウントについて紹介していますので参考にしてください。
http://diewerke.blog87.fc2.com/blog-entry-38.html

②低速での加速時に-----
 ・ゴゴゴーッというような音(振動)はエンジンマウントが切れてしまっている可能性が大きいです。
  
 ・40km/hまでぐらいにゴトゴトゴトとだんだん早くなるような音(振動)はプロペラシャフトのセンターマウントが切れているか、プロペラシャフトのスプライン部でバランスが狂っているか、シャフトの振れによるものが考えられます。

③20~40km/hの一定のスピードでタイヤの回転と同じように振動する
 タイヤが変形していることが多いです。
 ハンドルも一緒に大きく振れるようならフロントタイヤでしょう。

④40km/h以上のスピードでブレーキを踏むとガタガタとブレーキペダルまで振動が伝わる。 
 これはブレーキディスクが変形していることがほとんどです。

 100km/hほどのスピードで強めにブレーキングした時だけグーンという大きな音がする。
 これはちょっと番外編で純正以外の硬さの違うブレーキパットを使うとこんな症状がでることがあります。
 パットが少なくなってきたときも出ることがあります。

⑤100~120km/hでブルブル振動する。
 一番多い症状ですね。そうですタイヤバランスが狂っているとこのスピード域で振動が出ます。
 もちろんタイヤサイズなどによって多少前後しますし、ホイール自体が歪んでいても同じような症状です。

⑥140~160km/hで振動する。
 このスピードになると風の影響を受けたりいくつか原因がありますが、僕が経験して多かったのは15インチの純正アルミホイールに65%扁平タイヤの場合にそのスピード域で共振を起こすことが多くありました。
 タイヤのメーカーによって振動するスピード域が異なるのでお客様の用途に合わせてチョイスするしかありませんね。

よく発生するボディ振動としてはこのぐらいでしょう。
もちろん他にもいろんな原因があるので、参考までにお考えください。

先日、僕としてはめずらしい振動に出会ったので紹介しますね。
車はW107 500SLです。
110km/h前後でボディ全体が激しく振動します。
そのスピード以外ではまったく問題なく快適。
振動が出ている時にミッションをニュートラルにしても変化がないので、ミッションより後の回転部分であるだろうと予測。
リフトアップでタイヤを空転させて確認すると、プロペラシャフトのリヤジョイントディスクのセンターがずれていることがわかりました。
80207-2
亀裂が入っているために交換することは多いですが、センターがずれるような変形で交換することはあまりなかったので紹介してみました。
80207-1

僕の経験の話ばっかりで皆さんもだんだん飽きてきたでしょう・・・
せっかくなのでみなさんの中で変な振動の情報がありましたら、是非ここで紹介していきませんか。
どんな話でもいいのでよろしくお願いします(^o^)
[ 2008/02/07 22:08 ] 故障診断 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

werke


オールドメルセデスの
ファクトリー

http://werke.jp

ブログランキング

FC2ブログランキング

クリックお願いします。
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
カウンター